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どおも!
イオン来てます☆
自転車でw(オイ

また記事投稿しますね(´ω`)



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With the letter and the criminal



-手紙と犯人と-




第六話 キョウキ




メインルームに移動した一同の間には、なんとも言えない無言の空気が漂っていた。

どうして、どうしてとつぶやく人もあれば、ガタガタと震える人もあった。


その沈黙を破ったのは、ドンという 大きな音だった。

全員が震え、音のする方―窓の外―を見ると、そこには。


「―ッ!! 翔子さん!!」

里那が声を上げる。

そこには、雨に濡れた翔子が 窓に倒れ掛かっていた。



やっとの思いで、翔子を部屋の中に入れると、

翔子が何かをつぶやいているのが聞こえた。

「血・・・・・が・・・・ で・・・せ・・つ・・・
 きょ・・・・さ・・ん・・・が・・・」

余りに小さすぎた為、全てを聞きとることが出来なかったが、

何を言っているかが分ったような美貴は、 叫んだ。

「響子さんが!!!
 何、それっ! 響子さんが何!? 伝説!?
 ―――もしかして・・・ッ!」

何かを思いついたように、美貴は顔を変えた。

まさに、鬼とでも言えただろう。

そんな、そんな、 怖い、顔に。


一体何を、と三咲が聞こうとしたが、その前に美貴が声を張り上げた。

普段の美貴を見ていると、想像も出来ないような 甲高い、キィキィというような声。

「あいつが!!!
 響子が! 伝説を本物にしようとしてんの!!!
 そうよ、そうに決まっている!!
 自分のネタのために、私達を巻き込むつもりなんだ! 
 あああああなんてこと!! 響子を探して問い詰めなきゃッ!!
 何処!? 響子は何処!? 出て来なさい!
 後でのこのこ出てきたら、私があんたの頭をかちわって殺してやるぅうううう!!!」


完全にパニック状態になった美貴は、次々と回りにある壷や、カップなどを割っていく。

残された人はその様子を、ただ、黙って見る事しか出来なかった。









しばらくして、落ち着いたのか 美貴がゼェゼェと息つぎをしながら振り向く。

その顔は、今まで暴れていたとは思えないほど 真面目な顔だった。

その顔に、ビクッとしたが 里那がたずねる。

「どうしたの・・・?」

声が震えてる事に気づいたのか、架奈子が入ってきた。

「何か、気づいた事でもあるんですか?」

2人の質問に、美貴が笑って答える。

「うん、ちょっとね。 あはは、ごめんごめん☆
 怖がらせちゃったねー もーだいじょーぶっ」

と、いつものような感じに、全員がほっとした。

しかし―


「ねぇ・・・・ 悪いんだけどさ
 誰か一人、外の様子を見てきてくれないかなぁ・・・?」


という美貴のお願いには、さっきのような狂気が混じっていた。
第一回☆ 好きキャラ投票ーww



この中から、好きなキャラをお選びください^^

With the letter and the criminal



-手紙と犯人と-




第五話 トツゼン




「えっ!?」

ガタっという音のあと、いきなりの停電が9人を襲った。

落ちたのは、花瓶だった。

突然の出来事に、桜乃がよろける。

尻餅をついたところには、ぬるっとした感触。

ビックリして手をつくと、べちょ、という嫌な音が聞こえた。

「っ・・・ま、ってよ、これって、 鉄、のにお、い・・・・っ!!!」

桜乃の一言に、全員が凍りつく。

一体、誰の。 そんな疑問が、全員の心の中にあった。

誰の血か、確認したい。 できない。 怖い、怖い、こわい、コワイ 誰の誰の誰の

桜乃が恐怖のあまり倒れる寸前、電気がぱっとついた。

全員が桜乃の方をみる。 が、

「っ、な、んで・・・・・!!」

美貴が声をあげる。 無理もない。

無いのだから。

「血、だけっ・・・!!」 

そう。 そこにあるのは、多すぎる血だけだった。

花瓶のカケラで、どこかを切ったにしては 多すぎる、血。


「っ 響子と、亜矢と、沙代香さんと、翔子さんがいないっ!! どこ!?」

桜乃が気づき、叫ぶ。

そう、そこには、ついさっきまで一緒だったはずの 響子・亜矢・沙代香・翔子がいないのだ。

「ま、さかっ 本当に、響子さんの伝説どおりにっ・・・!?
 架奈子ぉ! あんた、島倉の前にいたでしょう!? 分かるでしょう!!
 言いなさいよ! 何処に言ったの島倉はッ!!!!」

三咲がものすごい顔で怒鳴る。

一瞬、ビクッ と震えた架奈子だったが、キッと三咲の方を向いて、負けずと声を張り上げた。

「知らないよっ!!! なんで私!?
 停電したの! 真っ暗だったの!! 沙代香のことなんか、分かるわけ無い!!」

その言葉に、三咲が崩れ落ちた。

そして、震える口から、誰にも聞こえないような、小さな小さな声が漏れた。

「これじゃっ・・・ 本当に伝説どおりになっちゃうじゃないの・・・。」






With the letter and the criminal



-手紙と犯人と-




第四話 モノオト




「今も一人、殺人者、かぁ・・・。 そんなことあるわけないけど・・・ 
 やっぱり、屋敷の雰囲気っていうの? ちょっと怖いかなぁ。」

響子の話が終わったあと、各自割り当てられた部屋に入り ベットの上に寝ている里那は、大きすぎるひとりごとをつぶやいていた。

その“ひとりごと”に、架奈子が反応し、馬鹿じゃない?とでも言うような顔で里那を見た。

「何? 里那ってば、あんな話信じてるわけ?
 伝説ってのはただの噂だし、一人殺人者ーってのも 響子さんの推測にすぎないわけでしょう?
 新聞部ってのは でっち上げと嘘が得意なんだからぁ。
 信じちゃだめよ、ダメダメ。
 ―まぁ、どこかの怖がりは本気で信じてるのかもしれないけどね?」

クックックと のどの奥から出すような笑い声で笑い、架奈子は沙代香の方に目線を向けた。

その視線に、一瞬沙代香はビクっとするが、 再び毛布に顔をうずめた。

どうやら、本気で響子の話を信じているらしい。

そんな二人を見ていた三咲は、

「こぉらぁー 部員イジメ禁止なんだからね、架奈子。 次いじめたら、追放よ 追放。
 あと島倉も! 最後の言葉は、響子さんの言葉のアヤみたいなもんなんだからね。
 伝説だってただの伝説。 そんなに怖がる事ないわよ。」

と、真面目な顔で二人を叱った。


「悪いですけど、追放、は出来なくなってしまいました。」

4人はびっくりして声のする方―ドアの方―を向くと、そこには翔子がいた。

一気に4人がこちらを見たのにびっくりしたのか、一瞬目を大きく開けてから また落ち着いて、窓の方を指差した。

窓の外を見ると、 全員が、目を疑った。

「っ! なんて・・・こと、なの・・・・?」

声を発したのは三咲だ。

外はまさに大嵐。

屋敷と外を繋ぐ 唯一の手段、クルーザーも その荒々しい天候により、遥か遠くへ流されてしまっていた。

クルーザーを繋いでおけばよかった、など 冷静な考え方をするものは誰一人おらず、

全員が、放心していた。

怖い、などは考えられない。 ただ、ひたすら窓の外を向く事しか出来ないのだ。

あまりの出来事に 何十秒、何分と 無言が続いた。


「っごめん! 立ち聞きしてたみたいで悪いんだけどね・・・。
 絶対伝えなきゃかなって思ってさ!」

無言を破ったのは、美貴だ。

美貴曰く、外の出来事を分かっているのは、三咲・沙代香・架奈子・里那・翔子・美貴 だけで、

音園学園の人にはまだ伝えていないらしい。

「今から、音園学園の人達にも伝えに行くつもり。 一緒に来て?」

翔子が言うと、全員が頷き 反対するものはいなかった。


―コンコン とドアをノックすると、出てきたのは亜矢で、 翔子が出来事を話すと 三咲らと同じように 全員が凍りついた。

響子の、「とりあえず、メインルームへ行きましょう」の一言で、一同はメインルームに移動する事になった。

その間、声を出すものは、一人もいなかった。

聞こえたのは、外のゴウゴウという嵐の音と

ゴトっという 何かが倒れたような音だけだった。
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